• 『アンデス文明の歴史的変容を学ぶ』古代アンデス文明展(2017年10月21日~2018年2月18日)

    ご存じの方が多いかと思いますが、国立科学博物館の特別展は、夜間開館のされる金曜日(時に土曜日も)の16時50分からペア得ナイト券という当日券が2千円で販売され、17時入場となります。偶数人で行く場合には、前売り券より安い。今回もその制度を使い行きました。なお、今回はペア券と言うことで、入場券が二人で一枚の発券でした。 此までの特別展のペア得ナイト経験のなかで、今回がで一番空いていた。会期が長いのと、子供の休みが外れていること、金土と夜やっていることなどの影響? 今までの個々のアンデス文明の特別展などの経験を踏まえたアンデス文明の時代的変遷を中心軸に据えた展覧会でした。監修者の一人はシカンで有名な島田泉氏。これ以上の監修者はいないかな。 今回は、アンデス山脈の太平洋側にかつてあった、年代順に「カラル・チャビン・ナスカ・モチェ・ティワナク・ワリ・シカン・チムー・インカ」という9つの遺跡を中心にした展示が行われていた。 ナスカ(地上絵だけ)とマチュピチュ(ワイナピチュも登った)ほかのインカは実際に行った経験もあり、身近に感じで見学をした。よく整理されていて、私のような初学者に分かりやすかったと思う。レプリカも混じっていたが、充分に参考になる資料で有り、好感が持てた。また、この展覧会のウェブページの充実度にも感心させられた。 たとえば学んだこととして、耳飾り。 チャビンと関係が指摘されるクントゥル・ワシ遺跡(紀元前800-前550頃)から出土した耳輪(レプリカ)。穴の直径が4センチはあろうか。次の合掌しているモチェ(紀元前後からA.D.700頃)の土器。大きな耳輪が見て取れる。またこの祈りのポーズと思える姿は他にもあり、興味を持った。更に下った、シカン(750年以降)「儀式用の金のマスクと頭飾りにを包んだシカン王」。シカンは、モチェの末裔とみられている。金製の耳飾りのようなモノは小さい頃からしだいに大きく穴を開けていかないと入らない。高貴な出自であることを意味しているとのこと。 最後の写真は、インカのキープ。スペイン侵攻時でも尚此を読める人がいたと言うことだが、解明はまだ道半ば。ワリの時代は5進数だったが、インカの時代は10進数だというような解説も有り、まぁその程度の進捗だと学芸員は説明。写真のキープは大きなモノで、人間が手を広げたよりも大きいくらいだった。

  • 『漆槽箜篌が奏でるいにしえの空間』第69回正倉院展(2017年10月28日~11月13日)

    5回目の正倉院展。過去の例では、そこそこに並べば見ることの出来る状態だろうと、高をくくって行った。しかし45分以上待ちとの表示。実際は30分くらいで入場が叶った。そろそろ学生の団体や大人の団体も会場に入場済みか出てくるであろう時間帯なのが、良かったのかと思う。過去4回より混んでいた印象。 今回の正倉院展の印象としては、文字資料というのでしょうか、古文書が多数有ったように思います。考古学的な傍証などの為にも価値あるものなのでしょうが、浅学な私は全く興味が無かったので、内容そのものの感想はありません。昔、今で言う文書収受簿のような都(みやこ)からの連絡の記録が有ったときは、事務仕事をしていて、それなりに感動したが・・・ 一番見たかったのは、羊木臈纈屏風と漆槽箜篌。ともにNHKの放映の影響です・・・。 羊木臈纈屏風ですが、NHKでその再現制作を追っておりました(日美「よみがえる天平の美~第69回 正倉院展~」 吉岡幸雄「羊木臈纈屏風」復元に挑む)。花喰鳥があると買ってきた図録にありましたが、見落としました。図録写真を見ても判然としないです。複製も展示して欲しかった。(会場では漆槽箜篌の演奏が流れていました。) 箜篌は2張が正倉院に認められるらしい。今回のそれがうち一張りなのか、合体した展示なのかはわからなかった。ほぼ残欠状態だから、より明確な部分を二張りから抽出して展示したのかとも思う。 不可思議だったのは、NHKでは、近年再現制作が行われたようなことが言われていたと記憶するが、展示場には明治時代の再現品が展示されていて?でした。 伎楽面の迦楼羅面に興味を持った。この面は背面の形状がムンクの叫びの顔のような形状のもので、とてもその中に顔を埋めることは不可能に思えた。学芸員に聞くと、「咥えて演じたもので、かぶるものでは無かった。」とのこと。他の面もそうなのかは聞きそびれた。 最後に図録のこと。前回千二百円だったと思うが、今回も同じ。多くの図録が豪華さを競っている。しかし図録は画集では無い。質実剛健と廉価を求めたい。わが家も図録ばかりになって、図録購入禁止令が出ている。図録は本来は、鑑賞の手引きという側面が中心だと思う。その意味、近年図書として一部流通しておりネットで購入できるのは好ましいことだと思う。鑑賞の記念品では無い。他の美術展等でも見習ってもらいたい方向。