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norinori's ノート

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  • 『日本に福島原発事故博物館は出来るのか?』暗い思い

    お断り:人体展などもここで扱える範囲と考え、ここに掲載します。 ウクライナ・モルドバ・ベラルーシ等を周遊する旅行で「ウクライナ国立チェルノブイリ博物館」を訪れました。チェルノブイリの事故を後世に伝えるための博物館です。 この訪問時の日付は、2018年6月9日でした。 最初に訪問日時を書いたのには、訳があります。消防署を改装して博物館が開館したのは、「1992年4月26日」。事故が起きたのは、「1986年4月26日」。福島原発事故が起きた日は、「2011年3月11日」。あれから既に7年が経過しています。 福島原発事故を直視し、二度とこのような事故が起こらないと誓うための博物館が日本に出来ないのでしょう?もちろん1991年のウクライナ独立という体勢の転換を抜きにしては語れないとは思いますが、私はこの博物館を訪れて、その成立年に驚かされると共に、日本の厳しい現状、ある意味では自らが恥ずべき現状に、暗い思いをいたしました。 周遊旅行の限られた時間ではありましたが、所狭しと膨大な資料が並べられた館内展示には、圧倒されるものがありました。 そしてこの博物館のすごさは、日本語のガイデ …

  • 『回向院のしゃれたプレゼント』二日間だけの鳥居清長と隅田川の夏展 (2018年5月19日~20日)

    回向院の回向とは明暦の大火に由来する。爾来、回向院はストライクゾーンの広い寺であったらしい。鼠小僧の墓などもある。その弔われている一人に、鳥居清長がある。しかしながら、鳥居清長の墓は現在特定されていない。代わりに平成25年4月に鳥居清長碑が立てられている。 そして、『(建碑)以降、毎年鳥居清長法要と鳥居清長と彼の作品を広く人々に伝えていこうと「鳥居清長忌展覧会」を開催しております。』ということで、今回の『二日間だけの鳥居清長と隅田川の夏展 』が回向院念仏堂にて開催された。 私たちは、東京メトロのウオーキングイベントで後楽園から錦糸町まで歩いたついでに、一つお隣の両国駅近くの回向院を訪れた。歩いている最中浅草を通ったが、丁度三社祭のさなかで多くの法被姿の氏子を見たが、ここ両国では夏場所の最中で、若い力士が駅や道路に見受けられた。回向院近くでも同様だった。因みに現在の回向院脇(当時は回向院の寺域)で勧請相撲がかつて行われており、両国の相撲の発祥の地とも言える。 日本画の中で、浮世絵というのは、もっとも光に弱いものという。そのために、念仏道は暗幕で囲われていて、中の照明はか …

  • 『写真はモノクロームだと思った』たのしむ、まなぶ イントゥ・ザ・ピクチャーズ (2018年5月12日~8月5日)

    東京都写真美術館は、都民の私にとっては、誇らしい美術館だ。写真美術館の草分けであるからだ。他の追随を許さないと言ってもよいと思っている。というか、本来国立でやるべきなのかも知れないだろうものを、東京都が担っていると言ってもよいのではとさえ思っている。その東京都写真美術館が、収蔵作品を紹介する展覧会をやっている。今年のテーマは「たのしむ、まなぶ」。 この展覧会、たぶんギャラリートークなどに参加した方がより良いと思える展覧会。浅学な私にとっては、個人の努力よりは、補助がいた方が分かりやすい感じがする。そういう時間でなくとも、バックアップするためか、「異常」と言ってはいけないかも知れないけれど、多くの学芸員が配置されていた。いや、自分たちで企画構成したためだろうか、配置されている(椅子などに座っている)方だけでなく、外に場内を歩いていたり、写真を撮っている方さえいた。声もかけて頂いた。 実際に、高度成長期前期の日本の都市過程の標準的とも思える台所の写真を、高校生とおぼしき数人に解説している学芸員がいた。解説というのは正しくないかも知れない。「貴方がここに今いたら何をしたいですか …

  • 『霊峰飛鶴は素晴らしいと思った』生誕150年 横山大観展 (2018年4月13日~5月27日)

    まぁ日本画壇の重鎮の作品展も見に行かないと・・・という思いで参観。大観の生年は明治元年。明治150年の今年は生誕150年。その記念の年に開かれた展覧会。 洋画にどちらかと言えば慣れ親しんでいるからか、先に東博の「名作誕生」で一定日本美術を学んだ学び方に難があったのか、強い感動を覚える作品は少なかった。 画の着想や、アイディア勝負のところが目立つ感じがした。まぁ画家というのはそういうものだと思うけれど(モジニアリの画は誰が見てもモジニアリ)。 それにしてもベタすぎる。 目玉の一つ「夜桜」の松。松葉を丁寧に一本一本描いている。でもそれは単眼鏡の世界。松葉だって、それぞれ表情があるだろうに、同じ色同じ体裁で、途方もない数の松葉を描く。遠くから見れば緑の塊。点描でもない。単にパーツとしての篝火。 対になる「紅葉」の紅葉葉の方がづっと風情があった。 特徴の「片ぼかし」も作品解説にもあったが、一つの作品に執拗に繰り返す。何故だろう。 一番感動したのは「霊峰飛鶴」。鶴がスタンプじゃない。85歳位の作品。飛んでいる鶴にそれぞれの個性を感じた。風情があった。鶴に意思を感じた。鶴さえ …

  • 『実はキュビズムと決別していた?! ブラック』ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス (2018年4月28日~6月24日)

    ブラックというと、茶色を基調としてキャンバスにキュビズムで表現する画家というイメージ。そして、どうしてもついて回る、「ピカソと共にキュビズムを創始・・・」という形容詞。あまり「ブラックと共にキュビズムを創始・・・」という表現はピカソには使われない。まぁ、浅学な私の知識は、この程度のもの。 事情があって、新橋で空いた時間が出来たので、展覧会を訪れることにした。 汐留ミュージアムには前売りのシステムが無いように思う。しかしここには高齢者割引と、ウエブ上での割引券が併用できるという、ありがたいシステムがある。これを利用して、二度目の訪問となった。 このミュージアム、私にはどうしても金持ちの道楽の風がつきまとう。客集めに奔走している風はない。それでも、偶然だが、この日は前回同様に、ポストカードを頂ける日であった。(2枚目の写真) さて今回は、ブラックが本当の最晩年に「ジュエリークリエイターのエゲル・ド・ルレンフェルドと共同」で手がけた、ジュエリー作品を中心とした展覧会で会った。しかも、後半生の作に良く用いられた「鳥」をテーマにしたものが多かった。3枚目の写真は、「青い鳥、ピカソ …

  • 『日本美術の講義を拝聴している気分』名作誕生-つながる日本美術 ~ 創刊記念『國華』130周年~ (2018年4月13日~5月27日)

    小学校から高等学校の10年間の美術教育の中で、今どの程度日本美術に割かれてるのだろう? 自身の記憶はもう50年近くも前なので怪しいが、例えば水墨画を描いた記憶はない。学校教育のせいとは言わないが、自身の展覧会鑑賞も、その多くは西洋美術が占める。 そのような私にはまたとない、日本美術の敷居を幾分かでも下げることの出来た展覧会だった。 全体は、「第1章 祈りをつなぐ」「第2章 巨匠のつながり」「第3章 古典文学につながる」「第4章 つながるモチーフ/イメージ」の4部構成。全体が緩やかではあるが、歴史を軸にしている。その中で、ケースワークのような仕掛けを作っている。例えば第一章では普賢菩薩が取り上げられていて、普賢菩薩の祈りの姿に二大潮流(右手念じ左手蓮茎型と合掌型)があり、合掌型は後年盛んになり、やがて法華経(普賢菩薩は法華経を護持する者の仏)の女人成仏と深く結びついた形で絵画が興隆していった姿が、鑑賞を通じて得られるようになっていた。ちなみに、「仏画のお約束では、向かって右が東。普賢菩薩は東の方にある浄妙国土から現れると経典にあるので、多くの仏画では右から来たように描かれる。」( …

  • 『緑豊かな大地だったアラビア!』アラビアの道~サウジアラビア王国の至宝~ (2018年1月23日~5月13日)

    東京国立博物館に出かけた。本館を出たときに、「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」が会期を延長して、しかも無料で開催中という案内。つい最近まで有料で開催されていたはず。何故に?と疑ったが、何せ無料に弱いわが家、ありがたくこのチャンスを有効に活用させて頂いた。 つい先だって(4月12日)のナショナルジオグラフィックのニュースでは、「アラビア半島で8.8万年前の人骨、定説より古い・・・人類はこれまで考えられていたより早く、広く拡散していた」と報じている。(http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/041100162/)更に、「そこは豊かな草原地帯で、雨期が来るたびに緑が芽吹き、数多くの淡水湖が点在していた。アラビア半島の砂の中からはこれまでに、カバをはじめ、アフリカにすむ水生および半水生哺乳類の存在を示す証拠が見つかっている。このほか石器が見つかっており、人類がアラビア半島にいたらしいことはわかっていたが、人類の化石そのものが出土したことはなかった。」とも。 この発見の考古学的意味は大きいが、ここではアラビア半島が肥沃な土地だったと言う …

  • 『マネをマネたモネ、モネをマネたマネ』プーシキン美術館展~旅する風景画 (2018年4月14日~7月8日)

    プーシキン美術館は10年前後前に訪れる機会があった。その時の印象は、よくこれだけのものが集められたものだという、驚き以外になかった。事前の知識も殆ど持ち合わせていなかったので、なおさらだったように思う。その中から、風景画に的を絞った作品が65点来日を果たした。東京都美術館の一角の3フロアーを使った展示で、後半はゆったりしていたが、最初のフロアーに26点を詰めてあって、窮屈さは禁じ得なかった。 訪問した日はかなりの雨。もちろん第三水曜日の65歳以上無料開放日。それでもかなりの人が押し寄せていた。 朝イチに入館し、まずは一つ上の階の『草上の昼食』を見に向かう。未だ開館直後で、多くの人が階下の作品を見ている間に、独占的に鑑賞出来た。今回の目ダマはなんと言ってもこの作品だろう。2014年に来日したマネの『草上の昼食』は、未だ記憶に残っている。そのスキャンダラスな登場もその時に学習した。もっとも、その前にオルセーでお会いしていたのだけれど。 実は今回のタイトルも、草上の昼食にまつわる話から。由来の詳細はwikiなどを見てもらいたい。 個人的にはゴーギャンの「マタモエ、孔雀のいる風 …

  • 『龍馬を撮った彦馬?!』写真発祥地の原風景/長崎 (2018年3月6日~5月6日)

    東京都写真美術館であるが、都立ではあるが我が国の『写真文化のセンター的役割を目指す』ことを基本的方針にしている。で、明治150年で、今回の展覧会に至ったらしい。それにしても、言いたいことは話伝わるけれど、無骨なタイトルは何とかならなかったのだろうか。 館自体の所蔵品も多かったが、かなりの部分を「長崎大学附属図書館」所蔵品に寄っていた。長崎大は、「幕末・明治期日本古写真コレクション」を持っている。ウェブページも有り、会場でも閲覧できた。 さて、当然なことながら、開港した土地は最初に新しい文化が入ってくる土地であって、写真もその例に漏れない。当時は現場で調合して撮影するなどの状況であったろうから、そのまさに土地が或いはその土地にその時に存在したヒトなどが手近な被写体になる。故に、今も多くの古い写真が残っている。今回はそうした長崎にスポットをあてた展覧会。今後はたぶん横浜や函館も・・・と思う。 全く恥ずかしい話だが、日本における写真の始祖とも称えられる『上野彦馬』を知った。たぶん、写真を学ぶ学生などは、絶対に外せない人物だろう。(因みに龍馬を撮ったのは彼の弟子との説が今日では有 …

  • 『秋のルーベンス展への序章?』プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光(東京展) 2018年2月24日~5月27日

    kitte(昔の東京中央郵便局)でのイベントに4時間余の空きが出来て、上野に出た。姉妹ページ「あの展覧会混んでる?」を参考にし、状況に反して混んでいたら常設展を見ればよいと考えて赴いた。日曜日ではあったが、12時頃はチケット売り場の行列も殆どなかった。 それはともかくとして、ミーハーな私は、「ベラスケスが7作品も!」とのキャッチコピーに動かされて、バロック期のスペイン王の収集した絵画を見に行きました。ちなみに、わたしの思い込みでは、バロック期というと、だいたい背景は黒で、そこに浮かび上がるように人物などが描かれてる・・・と言うのが印象。実際今回もそういう作品がありました。どちらかと言えば、重々しいと言ってもよいかも知れない。でも、明るい作品もあった。 で、最初に興味を持ったのは、ベラスケスの「メニッポス」とレンブラントの「泣く哲学者ヘラクレイトス 」。展覧会入り口手前の何時もビデオやっているところでの、作品解説ビデオの中でも取り上げられていたので、注視してみたけれど、これもう完全にルーベンスでしょう、軍配は。 世界三大名画と云われる「ラス・メニーナス」(ベラスケス)と「 …